『AIで検索しても、うちの会社の説明が古い』『専用の対策が必要なのでは』。そんな相談を受けたら、まず公式サイトを開いてみてください。現在のサービス名や提供条件を、初めての人が迷わず確かめられるでしょうか。
このガイドでは、Google検索のAI機能を出発点に、広報が進める情報整備と、制作担当へ確認することを分けます。AIの回答を操作する話ではなく、正しい企業情報を見つけ、確かめてもらうための手順です。
最初に直すのは、会社概要・主力サービス・直近の発表。内容をそろえ、根拠と適用日を明示する。
- 検索行動のデータを、条件付きで読み取れる
- 3ページを点検し、修正依頼を具体化できる
- 引用の観測とサイトへの訪問を分けて報告できる
AIの回答で終わる検索がある。だから、PVだけで判断しない
Pew Research Centerの2025年調査では、AI要約がある検索ページで通常の検索結果リンクがクリックされた割合は8%、AI要約がないページでは15%でした。AI要約内の出典リンクへのクリックは1%でした。検索画面で情報を得て、そのサイトへ移動しない行動もあります。
ただし、これは米国成人900人の2025年3月の閲覧履歴を分析し、同じ検索語の結果を4月7〜17日に取得して照合した研究です。検索時点と結果の取得時点にはずれがあります。日本のBtoBサイトの転換率や、AI要約が流入減少を起こした因果効果を示す数字ではありません。
広報への示唆は『PVが減ったから情報発信が無意味』と決めないことです。公式情報の正確さ、指名検索、取材時の質問、サービスへの問い合わせも別に見ます。自社で何が起きているかは、自社の計測と観測で確かめます。
通常の検索結果リンクがクリックされた割合
Pew Research Center(2025年)の数値からWorkPick作図。単位は検索ページへの訪問。米国の観察研究であり、日本の現状や自社の成果、因果関係を示すものではありません。
Googleの公式要件と、独自の対策提案を分ける
Googleは、AIによる概要とAIモードに追加の特別な最適化は必要なく、検索にインデックスされ、スニペット付きで表示できることが基本だと説明しています。条件を満たしても掲載は保証されません。この説明はGoogle検索についてのもので、すべての対話型AIに共通する仕様ではありません。
広報は『何を正しい情報として公開するか』を決めます。制作担当には『このURLはログインなしで読めるか』『検索で認識されているか』『重要な内容を本文のテキストで読めるか』を確認します。専用ファイルや新しい名称の施策から着手するより、公開情報の欠落や矛盾を先に解消しましょう。
対策を提案されたら、対象サービス、根拠となる公式資料、改善するページ、確認方法の四つを聞きます。『必ず引用される』という約束ではなく、どの問題をどう直し、何を見て改善を判断するかが説明できる提案を選びます。
会社概要・サービス・発表に、それぞれの役割を持たせる
三つのページに同じ紹介文を繰り返す必要はありません。会社概要では『誰が運営しているか』、サービスでは『誰のどの仕事に使えるか』、発表では『いつ何が変わったか』を答えます。相互にリンクし、読者が現在の情報と発表時点の情報を区別できるようにします。
たとえば、発表には『2026年10月1日に機能を追加』と書き、現行のサービスページには機能、利用対象、対象プランを記載します。過去の発表まで最新仕様へ書き換え続けると履歴が失われます。誤りの訂正と、後日の仕様変更は分けて扱います。
最初に点検する3ページ
会社概要|誰の情報か
正式社名、現在の事業、公式の連絡先。主力サービスへ案内する。
サービス|何ができるか
対象、用途、提供範囲、利用条件。料金や仕様の適用日も確認する。
発表|いつ何が変わったか
変更点と実施日、根拠資料。現在のサービス情報へ案内する。
WorkPickの編集上の整理。まず1社・1サービス・1発表に絞ると、更新すべき場所と不一致を洗い出しやすくなります。
抽象的な説明を、確認できる事実に置き換える
『革新的なDXを支援』だけでは、読者は利用場面を想像できません。対象、できること、範囲を先に書きます。成果を添える場合は、誰のどの条件で得た結果かまで説明できるものを使います。
画像にしかない料金・対象・調査結果は、本文にも書きます。Googleも重要な内容をテキストで提供すること、内部リンクで見つけやすくすることを挙げています。図は理解を助けるために使い、図を読めない人にも同じ情報が届くようにします。
サービス紹介文の見直し例
読者が使い道を判断できる説明
- 見直す前
- 革新的なDXで飲食業界の未来を変えるサービスです。
- 見直した後
- 複数店舗を運営する飲食企業向けの予約管理サービスです。各店の空き枠を一画面で確認できます。対象は法人契約者です。
対象・用途・提供条件を明示。『何ができるか』を読者自身が判断できます。
架空のサービスの例です。この形式でAIに引用されることを保証するものではありません。
引用を見た記録と、アクセス計測は別に持つ
GoogleのAI機能経由の表示とクリックは、Search Consoleの検索タイプ『ウェブ』の全体データに含まれます。その数字だけでAI機能の引用件数を取り出せるわけではありません。AIボットのアクセスも、回答に引用された証拠にはなりません。
回答を確認するなら、会社名だけでなく、顧客が実際に尋ねそうな質問を数個固定します。同じサービス、質問、ログイン状態、言語で確認し、回答・引用URL・日時を記録します。たまたま引用された一画面を、全ユーザーへの表示回数のように報告しないでください。
3種類の記録を混ぜない
| 記録 | 分かること | 分からないこと |
|---|---|---|
| 回答を画面で確認 | その条件で示された説明と引用URL | 全体の引用件数・表示人数 |
| 参照元付きの訪問 | 識別できたサイトへの訪問 | 訪問しなかった人への露出 |
| ボットのアクセス | 取得しに来たリクエスト | 回答に採用・引用されたか |
計測範囲は利用ツールと設定によって変わります。レポートには何を観測した数字かを添えます。
今日の点検は、修正依頼が書けるところまで
会社概要、主力サービス、直近の発表を一つずつ選びます。社名、提供対象、問い合わせ先の不一致を拾い、根拠資料と正しい表記を確認します。担当者へは『説明を分かりやすく』ではなく、『対象プランが本文にないため、ここへ追加』と依頼します。
公開後は人が読めるか、リンクが開くかを確認します。検索への再反映とAI回答の変化は同時とは限りません。変更日と観測日を別々に残し、移転・名称変更・サービス終了が決まったときの更新担当も決めておきましょう。
確認に使った一次資料
Google Search Central|AI features and your websiteGoogle検索のAIによる概要・AIモードの要件と計測。ほかのAIサービスには一般化しない。確認日:2026.10.01原文(別タブで開く)Pew Research Center|Google検索とAI要約のクリック調査2025年7月22日公表。米国成人900人の2025年3月の閲覧履歴と、4月に取得した検索結果を照合した観察研究。確認日:2026.10.01原文(別タブで開く)読む。整理する。書き始める。
発表する内容を入力して、タイトルと本文の骨子をつくれます。
無料の骨子作成ツールを開く