共同プレスリリースでは自社表現(当社・弊社)を避け企業名を明記し、発表主体と役割を明確に区別します。配信前に合意事項表で発表主体・役割・確認担当・承認期限・版番号の5項目を定め、窓口の一本化または役割分担と同時配信の時刻を揃えることで、承認遅れや重複配信を防ぎます。
- 複数社で配信する際の発表主体・役割・確認担当・承認期限・版番号を決める合意事項表を作成できる
- 「当社」表記を避け企業名を明記して2社・3社の役割と発表内容を正確に書き分けられる
- 代表配信と同時配信の選択基準を理解し各社の承認フローと配信直前チェックを実施できる
複数社で共同プレスリリースを配信する際、自社目線の「当社」表記の混在や、各社の承認の遅れ、配信時刻のズレによる重複配信などのトラブルが起きやすくなります。
配信までの混乱を防ぐには、原稿執筆の前に「発表主体」「役割」「確認担当」「承認期限」「版番号」の5項目を揃えた合意事項表を作成し、関係者間で共有することが有効です。
本記事では、2社・3社で発表主体や役割を明確にする本文の書き方と、校正・承認および配信管理の手順を具体的に解説します。
連名プレスリリースの設計と本文を作成する空欄ひな形
複数社で共同配信するプレスリリースは、自社単独で作成する場合と異なり、各社の役割分担や原稿の承認手順をあらかじめ明文化して揃えることが不可欠です。主導企業と協力企業の分担があいまいなまま執筆を開始すると、本文中の主体表記がブレたり、承認期限の遅れによって希望日時に配信できなくなったりするトラブルが頻発します。
連名発表の基本構成では、「当社」「弊社」といった特定の1社を指す主語の使用を避け、初出時に「〇〇株式会社(以下〇〇)」と正式名称を明記したうえで略称を統一します。リード文では共同取り組みの全体像と社会的意義を共通認識としてまとめ、続く本文で各社の役割、提携の背景、具体的な展開内容を分担して記述する設計にします。
事前準備として、発表主体、役割、確認担当、承認期限、版番号という5つの合意事項欄を管理ヘッダーとして原稿上部に設けます。原稿の最新版がどれか分からなくなるミスを防ぐため、校正時には必ず版番号を更新し、各社の法務や広報の確認期限を事前に固定して進めることが進行遅延の防止に寄与します。
メディアや取材対応の混乱を防ぐため、問い合わせ窓口は代表一社に集約するか、内容別に担当企業を明記する枠を用意します。さらに、各社から同じ内容のリリースが届くことによる重複感や混乱を避けるため、配信主体以外の企業から案内を出す場合は「共同リリースのため重複して配信される場合があります」との注記を添える運用を行います。
共同リリースの作成初期に合意事項管理欄と標準フォーマットを共有しておくことで、関係者間の認識ズレや差し戻しを未然に防止できます。下部の空欄ひな形を活用し、各社の確認担当者やスケジュール、表記ルールを固定してから本文の執筆に入りましょう。
2社・3社協働プロジェクトの架空記入例
複数社で連名配信を行う際は、自社主語である「当社」や「弊社」の使用を避け、本文中で企業名を明記します。各社の役割や問い合わせ窓口を整理し、合意事項管理項目を文頭に配置することで、社内稟議や相手方との最終確認を円滑に進められます。
2社共同発表では、主導企業と協力企業の役割分担を明確にし、取材対応の一次窓口を一社に集約することでメディアの混乱を防ぎます。代表企業が一括配信する場合は、文末に連名配信の旨と重複配信に関する注意書きを添える構成が適しています。
3社以上の共同プロジェクトでは、冒頭にプロジェクト全体の目的と各社の明確な担当領域を提示します。文脈ごとに企業略称を統一して記載し、問い合わせ窓口を各社の分担領域に応じて個別に記載することで、取材や連絡の不整合を回避できます。
確認手続きで承認が遅れたり法務審査で指摘が入ったりした場合は、事前に定めた承認期限と版番号をもとに原稿の差し戻しを行います。許諾が得られていない数値や画像素材がある場合は、該当箇所の決定を待たずに未決事項として管理表へ記録し、公開日時の変更を検討します。
配信前に整理すべき共同発表の5大合意事項
複数社で連名プレスリリースの作成を始める際は、原稿の執筆に着手する前に発表主体・役割・確認担当・承認期限・版番号の5大項目を合意する必要があります。事前にこれらの取り決めを明確にしないまま作業を進めると、誰が最終判断を下すのかが曖昧になり、配信直前になって確認の差し戻しや大幅なスケジュールの遅延が発生します。
まずは主導企業が一覧表形式で各項目の管理担当と内容を一覧化し、関係各社の広報担当者へ提示して合意を取りましょう。発表主体の明記は記事の主語決定や配信手続きの基準となり、役割の明確化は各社の協力範囲やクレジット表記の根拠となります。確認担当者をあらかじめ特定しておくことで、確認漏れや担当不在による停滞を防ぎます。
よくある不足として、承認期限と版番号の管理を口頭で済ませてしまい、どれが最終原稿かが分からなくなるトラブルが挙げられます。これを防ぐには、承認期限に日付と時刻を設定し、修正が入るたびにファイル名へ「v1.1」のように版番号を付記して一元管理します。関係社が多い場合でも、版管理の徹底により誤った原稿での承認や配信を防止できます。
連名相手が外資系企業や大規模事業者の場合、本国の法務確認や役員承認で予想以上の時間を要する例外が生じます。その際は、標準的な承認期限より前に法務レビューの完了目標日を個別に設定するか、代表配信を行う主導企業側へ事前権限を委任する代替案を取り入れ、全体スケジュールの後ろ倒しを回避する運用が効果的です。
共同発表における5大合意事項管理表(架空の記入例)
| 管理項目 | 設定内容(例) | 確認・実施事項 |
|---|---|---|
| 発表主体 | 株式会社A(主導企業)、株式会社B(協働企業) | プレスリリースの代表配信元および連名順序の決定 |
| 役割 | A社:全体進行・原稿執筆、B社:技術データ提供・監修 | 各社の担当範囲とクレジット表示の整合確認 |
| 確認担当 | A社:広報部 山田(主担)、B社:広報部 佐藤(副担) | 原稿校正・画像素材チェック・問い合わせ対応窓口 |
| 承認期限 | 2026年10月18日 17:00まで | 役員・法務の最終承認を完了させる期限設定 |
| 版番号 | v1.0(初案)、v1.1(B社修正反映版) | 修正履歴の記録と最新原稿の取り違い防止 |
共同リリース作成前に主導企業と関係各社で確認・記入する5つの必須管理項目と記入例。
主語の表記ルールと2社・3社の書き分け手順
複数社で連名プレスリリースを作成する際は、本文中の主語から「当社」「弊社」「同社」といった一社のみを指す表現を排除します。主語が曖昧だと読み手であるメディア関係者が混乱し、情報伝達の正確性が損なわれるためです。初出時に「株式会社〇〇(以下〇〇)」と正式名称と略称を明記し、2回目以降は略称で統一します。
2社または3社で共同発表を行う場合は、企画の主導企業と協力企業の役割関係を明確にした上で、企業名の並び順と本文内の主語を揃えます。主導企業を先頭に記載するか、対等な関係であれば五十音順やアルファベット順を採用して事前合意を取ります。主語には「〇〇および△△は」のように各社名を明記し、主語の曖昧化を防ぎます。
共同発表でよく起こる失敗は、一社が作成した原稿のまま自社目線の「当社」が残り、そのまま他社の承認に回されて修正の手戻りが発生することです。執筆初期の段階で「すべての当社・弊社・同社を特定社名に置換する」というルールを共有し、主語チェックをドラフト作成直後に行うことで手戻りを最小限に抑えられます。
複数社での役割や表記順に相違が生じた場合は、記載順の理由をプレスリリース末尾の注記や補足説明に明記する代替案をとります。主導権の表現で調整が難航する場合は「共同で開発した」という対等な対外メッセージに揃えつつ、問い合わせ窓口や事業主体としての実務上の役割を個別に明記することで妥協点を形成します。
主語表記と2社・3社書き分けの実務ステップ
1. 一人称表現の全面禁止と社名ルールの設定
原稿作成前に「当社」「弊社」「同社」の使用を禁止し、初出「正式社名(以下略称)」、2回目以降は略称表記とするルールを各社で統一します。
2. 表記順序と主体のすり合わせ
主導企業の優先記載か、五十音順・アルファベット順などの並び順を協議し、本文中の主語を「〇〇および△△」に統一します。
3. 役割分担の本文明記と事前校正
各社の事業上の役割(開発、販売、検証など)を本文内で明確に書き分け、主語の誤用がないかドラフト段階で確認します。
連名リリース作成時に主語の曖昧さを解消し、関係各社の合意を得る手順
校正・承認と同時配信の担当・スケジュール運用
複数社での共同リリース配信では、最終承認の遅れによる配信直前の差戻しや、メディアへの重複配信に伴う混乱を防ぐ進行管理が求められます。これを回避するには、初めに校正・承認フローの責任者と期限を明確にし、代表配信か各社同時配信かの配信方式、および問い合わせ対応の分担を事前に合意して進めることが確実です。
原稿の確認作業では、各社の広報担当者だけでなく法務や事業部門の最終承認者を事前に洗い出し、合意した承認期限を厳守します。外資系企業の海外本社承認や役員決済が必要な場合は通常より時間を要するため、公開日の数日前を校正完了日に設定します。版管理ルールを統一し、最新版以外の変更提案や直前での承認者追加による振り直しを防ぎます。
配信方式の判断にあたっては、1社が代表してプレスリリース配信代行サービスを利用し、他社が自社サイトやSNSで拡散する運用が一般的です。各社が別々に配信代行を利用する場合は、検索エンジンや報道機関の混乱を避けるため、配信時刻を厳密に揃えた上で原稿内に「共同リリースのため重複配信される場合があります」と注記を追加します。
メディアアプローチと問い合わせ対応は、すでに接点を持つ企業が担当を分担し、同一記者への連絡重複を避けます。窓口を1社に一本化するか、内容に応じて担当部署を明記するかを決め、事前の想定問答集を作成して応答内容を統一します。想定外の取材依頼が入った際も、独断で回答せず担当企業へ引き継ぐ運用手順を共有しておきます。
共同リリースの配信運用における改善比較
承認・校正フロー
- 見直す前
- 各自が直前に確認し、最終承認者の未把握や期限切れで配信が遅延する。
- 見直した後
- 確認担当と承認期限、版管理を合意し、公開数日前に最終原稿を確定する。
承認者の抜け漏れと直前の大幅な差し戻しを防ぐため。
配信・掲載手段
- 見直す前
- 複数社が別々に配信サービスへ入稿し、同一メディアに無断で重複届く。
- 見直した後
- 代表1社が配信サービスから出力し、他社は自社サイト掲載と重複注記を併用する。
メディアの混乱と検索エンジンの重複コンテンツ扱いを回避するため。
問い合わせ・取材対応
- 見直す前
- 各社に個別に連絡が届き、確認作業の発生で回答までに時間がかかる。
- 見直した後
- 窓口の一本化または役割分担を明記し、想定問答集で即座に回答する。
報道機関への迅速な対応と発信情報の食い違いを防ぐため。
承認遅れや重複配信を防ぐための個別配信から共同運用への見直し
公開直前の最終整合チェックリスト
連名プレスリリースの公開直前作業では、各社間での認識差異や最終原稿の表記ブレを解消し、配信トラブルを未然に防ぐ点検を行います。特に配信日時や原稿確認の抜け漏れは、事後の配信取り消しや企業間の関係悪化につながるリスクがあります。そのため、代表配信者や担当部署が最終版データと配信サービス設定画面を突き合わせながら、全項目を指差し確認します。
チェックを実行する際は、特許の出願状況や担当者の口頭による「問題ない」という返答だけで判断せず、法務や外部関係者からの書面許諾が揃っているか個別に裏付けを取ります。画像素材の著作権・肖像権や数値データの引用元表示など、社外の権利が絡む要素は法的な確認とテキスト上の表記条件をそれぞれ独立して点検する必要があります。
もし確認期限までに一部の確認事項が未解決となった場合は、独断で公開を強行せず、即座に配信予定日時を一時延期する対応をとります。未解決の条件について誰がいつまでに最終判断を行うのか責任者を明確にし、全関係企業へ配信延期の連絡とスケジュールの再調整を同時に行います。
配信作業の手順においては、代表企業が1社で配信サービスを利用して発信するのか、複数社が自社サイトなどで同時公開するのかを再確認します。各社から重複してプレスリリースが配信される可能性がある場合には、読み手やメディア関係者の混乱を避けるため、本文内に重複配信に関する注記が適切に記載されているかを必ず点検します。
確認に使った一次資料
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